「リィ、年賀状の仕分け手伝ってもらっていい?」
「構わないけど、俺、この星の言語はまだ読めないよ?」
「大丈夫、共用語でも書いてあるから。はい、半分」
「名前別に分類すればいいんだな?」
「うん、お願い」
「……」
「……」
「……あ、これ、ヴァレンタイン卿からだ」
「今すぐ捨てていい」
「そんなこと言わないの。リィが冬休みは戻らないって言ったからお寂しいんだよ」
「惑星間通信で顔は見ただろうに……」
「結局いつものメンバーでクリスマスも年越しも迎えちゃったもんねぇ。まさか全員私の実家に来るとは思わなかったけど。……あ、ダイアナさんからも来てる」
「ケリーとジャスミン、いつ来るって?」
「明日には着くって。――ふっふっふ、子供ばかりの家に飛び込んでくるとはまさにカモネギ夏の虫。お年玉たっぷりせびってやる」
「……お手柔らかにな」
「私よりレティシアに言った方がいいよ。『生かさず殺さずむしり取ってやる』って燃えてたから」
「そういや、レティーは? 初日の出から帰ってきてから、ずっとこたつで昼寝してたろ」
「さっきヴァンツァーと庭で羽子板してたよ」
「ハゴイタ? 黒すけとか?」
「うん。羽を落とさなきゃ何してもOK、負けた相手に落書きできるって正月恒例のゲームなんだけどね、凄かったよー。二人とも無駄に熱くなって、共和宇宙一の羽子板デスマッチが繰り広げられてたもん。近所の子たちが歓声上げてた」
「……」
「リィも混ざってくる?」
「……いや、いい」
「シェラは台所でケリーさんたちの着物縫いつつ、お雑煮作ってるしねぇ。明日の初詣までに全員分の着物作るんだって張り切ってたよ」
「? 雑煮なら朝も食べたろ?」
「あれは赤味噌、今度は白味噌だって。ケーキもおせちも手作りだし、年越し蕎麦を打ちだした時はちょっとびっくりしたけど」
「凝り性だからな、シェラは。……そういえばルーファの姿が見えないんだけど、知ってるか?」
「あ、ごめん。ちょっとお使い頼んだ」
「お使い?」
「ガイアさんとデモンさんとファロットの精霊さんたちに、年賀状届けに行ってもらったの」
「……まさか、この前作った芋判の年賀状?」
「うん。あれすっごくいい出来だったし、余りが勿体ないから送ろうと思ったんだけど、あの惑星、郵便できないじゃない? ケリーさん待ってたら三が日終わっちゃうし、なら僕が行くよってルウさんが」
「………………」
「い、いや、ほら、だってこういうのは年中行事だし。案外ガイアさん喜んでくれそうだよ?」
「……そりゃ、人間から年賀状貰うなんて初めてだろうからな……」
「何事も人付き合いは重要じゃない? あ、そうだ、帰りにルウさんがお酒買ってくるって言ってたし、ちょっと早いけどもう一回皆で乾杯しない?」
「も飲むのか?」
「え、駄目?」
「まぁ、正月だし大目に見てやるか」
「そうそう、めでたいお正月だもんね。……あ、ルウさん帰ってきたかな――」
新年明けましておめでとうございます。
本年もまた、どうぞよろしくお願い申し上げます。